Kokko 真面目すぎる東大生

大学卒業までに会った出来事を綴るブログ。読書記録多めかも

「ゴリオ爺さん」バルザック

この話で取り扱われていた「社交界」及びそこにいる人々の描写が、最も自分の今の生き方に似たものを感じなかなか面白い作品だった。

 

全体として、私にとっては冗長だと感じる表現が多く、また長編小説を読むことがどうしても時間の無駄のように思えてしまい、落ち着いて一文丁寧に読むというのがかなりストレスではあった。

しかしその私の性格だったからこそ、出世やら金やらを求め生きるこの作品の沼のような世界観は共感を覚えた。

 

私自身、能力や努力量のわりにうまみを享受できていると感じることが多いが、それは「野心」があるからだと思っている。

クラスの人たちを見ても勝負で勝つ負ける以前に、勝負の土俵にすら上がっていない人が大半だ。私は優秀な彼・彼女らを素直に尊敬しつつも、私に「野心」がある限りは決して負けないだろうなぁと感じていた。

ただその「野心」の弊害として、一緒にいて居心地のいい人の数はどうしても少なくなるし、負けず嫌いが働いてストレスすら感じることもある。

 

ラスティニャックもゴリオもそれに関係する家族も、読んでいて私が「野心」に突き動かされて欲しいがままに目標に向け逆算し行動した成れの果てなように感じた。

 

本当は、8月から医療系の事業会社でインターンをやろうかと思っていたが、その前にもう一度より人生という長いくくりで見た時に、何を本当にしたいのか、を再考したいと思い直した。

まずどの道を選んだとしても、全てがGoodな道はないとは思う。が、約1か月様々な刺激を受けながら歩む道についてよく考える経験は、インターン以上の価値はあるんじゃないかと願っている。

 

*娘が将来欲しいと思っていた自分にとって、地味にゴリオの娘とのやりとりが一番堪えた(笑)