「銀の檻を溶かして」高里椎奈
自分とは本の趣向が異なる友人から勧められた一冊。
妖怪探偵系の作品ということで、ゲゲゲの鬼太郎を想像していたが
だいぶ違っていた。
一番印象に残ったのは「3人のキャラ」で、
読んでいて彼らの登場するシーンは安定して面白かったように思った。
中古で読んだので表紙がなかったのだが、ネットで調べていたら3人の絵が載っており想像以上のイケメン集団で、「おぉ...」となった(笑)
普段ミステリーを読まない自分としては、
伏線が回収されていく様は面白かったと思う。(人によってはミステリーとしての質は低いと評価するようだが)ミステリーが好きな人は、幾つかのヒントを基に自分で予想したりするのだろうか。自分には到底難しすぎて予想するのも嫌になってしまった。
登場人物の掛け合いの場面での読みにくさは正直否めないが、
シリーズ第一弾ということなのでその後修正もされているのではないかと思った。
読了後調べた中で、メフィスト賞を受賞した作品らしく、メフィスト賞というものが個性の強さが特徴とされるということで、この作品もミステリー?などのカテゴリーとしては異質なんだと思う。
テイストとしては、ジャンプとか少年漫画ものが趣向に合っているので今後このシリーズを読み続けるかどうかは分からない。
しかしこういう世界観があるということ、それを楽しんで読む人の存在を知り、また多少なりとも共感できたことは良い経験だったと思う。
少しでも色んな考え方に触れておかないと、
すぐに頭が固くなってしまうような気がしているのでこういう経験はもっとしていけたらと思った。
*星海社の賞決めの座談会の内容を見て、文学賞というのはここまで厳しく言われるものなのかぁと感じた。座談会の参加者の方々も実績があり、判断に自信があるのだと思った。ただ作家の身になるとあそこまで言われるのは正直辛いだろうなぁ、と思い又出版してからも編集者や世間に色々言われることを考えると、頭が締め付けられるような世界だ・・・という思いを肌で感じた。